大体3~8分ですが症例の難易度にもよります。ただし現在はあまり時間は気にしていません。それより乱視矯正を同時に行なってますのでそれらに時間をつかっております。
白内障とは、レンズの役割をする水晶体という部分が白く混濁して、周りがかすんで見える・明るい場所だと眩しく見えづらい・いくら調節しても眼鏡が合わない・2重3重にぼやけて見えるなどの症状が現れる病気です。
白内障はすぐに失明になるといった病気ではありませんが、長期間放置をすると他の病気を併発したり手術に時間がかかることがありますので、早めにご相談ください。
白内障で最も多いのは加齢に伴う老人性白内障です。60歳代で70%、70歳代で90%、80歳以上になるとほぼ100%の人に白内障による視力低下が認められます。最近では合併症として若い人の発症が増えています。また、胎児の時に体内で感染した風疹が原因で生まれつき白内障になるといったことや、目の怪我、薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。
人工水晶体は50年以上は問題なくもつといえます。中には、何年か経ってから軽い濁りの出る人もいますが、その際はレーザーで濁った膜を磨くことができますのでほとんど心配要りません。
人工水晶体は50年以上は問題なくもつといえます。特別な手入れなどはありませんので、合併症を併発しないかぎり眼内レンズを取り出すことはありません。
なるべくいらなくなるよう眼内レンズの度数は設定しますが、老眼のある場合、老眼自体が治る訳ではないので近用の眼鏡が必要な場合があります。ただ、そのようなケースでも眼鏡の度数はかなり減ります。また、調節に関しては個人または手術の結果、または乱視の程度により差があります。80代の術後でも眼鏡なしで車の運転をし、また、針に糸を通せる方もおられます。40代ではざらです。よって、いらなくなるかどうかは個人差がありますが、少なくとも現在の眼鏡の度数より少なくなると思ってください。当院では乱視の強い方には同時に乱視矯正を行ない、術後になるべく裸眼で生活できるよう配慮しております。
ほとんどの方は点眼麻酔のみで痛くありません。ただ、お酒を飲まれる方、神経科の薬を飲まれてる方は痛がる傾向があります。点眼麻酔のみで痛がる方にはテノン嚢下麻酔という麻酔を追加しますがほとんどの方はこれで問題ありません。以上で大体痛みはとれますが、それでも痛い場合は滑車下神経ブロックを行います。これで痛みだけでなく触ってる感じ(触覚)さえ無くなります。
痴呆の質や程度にもよりますが、ほとんどの方は手術はなんとかなるものです。今まで沢山の痴呆の方の手術をしましたが見えるようになってから痴呆が軽くなったという話も沢山うかがいました。
大丈夫です。
私はずっと総合病院にいましたので、ほとんどの患者さんは糖尿病や腎臓病で透析を受けられてる等全身疾患を持った患者さんでした。ヘモグロビンA1Cが12や13などの方も沢山おりました。例えばそういう患者さんで硝子体出血があった場合など内科的治療の終了を待ってると失明してしまいます。また、白内障の患者さんでも6や7まで落ちるのを待っててはいつになるか分りませんし、落ちないかもしれません。また、内科的治療を拒否してる患者さんもいらっしゃいます。高血糖時は当院で、インシュリンによる血糖コントロールを行うこともありますが、ヘモグロビンA1C自体が問題となることはないと考えます。ただ、小瞳孔などは手技上難症例となりますし、術後の網膜症の悪化には気をつけております。
できるだけ1週間前より休薬してください。それも駄目なら3日より休薬してください。ですが、それも全疾患など関係で全く止めれない方も心配はいりません。当院での手術は、手技上基本的に角膜切開ですので出血の問題はありません。また強角膜切開でも経験上問題が起きたことはありませんが、駆逐性出血の問題もありますので止めれるのならその方がより良いです。
もちろん、保険適応で受けることができます。自己負担は1割負担で約15,000円。3割負担で45,000円ほどです。
手術をすればできます。(保険も通ります)白内障手術後1,2ヶ月ではそれほど眼内レンズと水晶体嚢の癒着も強固ではないのでそれほどリスクはありません。レーシック手術後の白内障手術では眼内レンズの設定が難しく、水晶体再建術を行なったことがあります。また、他院で10年前に手術をされた方で、僚眼の手術の際に最強度近視に設定されていた偽水晶体眼の入れ替えを行ないました。
当院では乱視矯正手術を行なっております。基本的には白内障手術と同時に行なっていますが、それ以外でもやっており、3diopterくらいまで矯正可能です。やり方としては以前からあるAKやLRIなどもありますが、私が考案して今年の手術学会で発表した穿孔法があります。(学会誌にも掲載予定です。)
50歳以上ではすでに殆ど水晶体による調節が無いとの論文も有ります。又、調節力は水晶体だけによるものでは無く、分かってない部分も多いです。更に、調節力は個人差が多いです。臨床的には、単焦点眼内レンズでは術後1,2割が近くも遠くも見えるとの報告が有ります。つまり、術後調節力に何ら問題がなかったという事です。具体的には白内障手術前、近くも遠くも眼鏡が必要であった患者様で術後近くも遠くも眼鏡なしで問題の無い方を私は多数知ってます。そして、現在は多焦点眼内レンズもあり老眼治療も可能です。白内障手術で屈折矯正を行い、眼精疲労が改善し眼瞼けいれん等が治った例も多数経験しております。
当院は民間であり教育病院ではないので白内障手術が安全確実に行なわれるのは当然なのですが、それプラス術後のクオリティオブライフを重視しております。つまり、できるだけ眼鏡なしで生活できることを目標としております。白内障手術では屈折矯正手術も同時に行なうのですが、その時にできるだけ正視に近づけ乱視も矯正しております。(眼内レンズの測定には精度の最も高いIOLマスターを使用しております)また、左右差はできるだけ少なくなるよう心がけております。そして、手術ですが、手術はできるだけ侵襲がすくなくなるよう務め術後の調節力に配慮しております。
また、ごく稀ですが術後左右差が出た場合、場合によっては偽水晶体の交換により対応しております(無論眼鏡使用でも構わない場合はする必要はありません)。また、術後残余乱視についても適応があれば乱視矯正手術をおこなっております。
次に難治性白内障についてですが、私は硝子体手術をおこなっており水晶体落下や眼内炎などにも対応できるので全てお受しております。基本的には超音波水晶体乳化吸引術にて対応しておりますが、それが無理な場合、嚢外水晶体摘出術となる訳ですが私のやり方は少縫合なので術後乱視を惹起せず術後視力は良好です。ただし、調節力等を考えると重症になる前(超音波乳化下吸引法でできる間)に手術されることをお勧めします。
緑内障は、何らかの原因で視神経が傷害され視野が狭くなる病気です。眼圧の上昇がその原因のひとつといわれています。
緑内障は早めに気づいて治療を行うことにより失明を避けることができます。緑内障は、日本人が失明する原因では糖尿病網膜症に次いで第2位となっています。それは、慢性の緑内障は自覚症状が少なく気づかない間に進行してしまうからです。失明を防ぐためには早期発見と早期治療が大切です。
消失してしまった視神経は戻すことはできませんので、完治することはむずかしいですが、治療薬の開発や治療技術の発達によって、進行を止めることができます。治療を行うことにより日常生活に支障をきたすことなく視力を維持することができます。
緑内障は、遺伝・加齢・喫煙・自律神経失調・糖尿病・高血圧・近視などの要因が加わっておこるといわれます。慢性的な緑内障は気づきにくいので、生活習慣やストレスに気をつけるようにし、定期的に眼底・眼圧・視野などの検査を受けて初期段階で発見することが大切です。
長時間うつむいたままの仕事を行ったり、ネクタイで首を強く締め続けたり、大量のカフェインを摂取する人、抗うつ剤の服用も眼圧を高めることになるので注意をしましょう。
20分から1時間ですが2時間ほどかかる場合もあります。ただし、当院では内視鏡による硝子体手術を行なっているのでそんな短時間の手術でも硝子体をほぼ完全に除去しております。内視鏡以外でも25ゲージシステムや23ゲージシステムといった小切開硝子体手術では黄班上膜などは短時間で手術が可能ですが、硝子体を殆ど残すので術後の医原性網膜裂孔や医原性網膜剥離の報告があり100例に1例との報告もあります。内視鏡手術では短時間ではありますがそのような危険はありません。
原因は様々ですが、網膜や脈絡膜に炎症が起こり血管から炎症性細胞やたんぱく質が硝子体に侵入してしまいます。これによって硝子体が混濁し、飛蚊症や目のかすみや視力低下が起こります。最初は目薬や飲み薬により混濁を抑える治療が行われますが、軽減しなかったり網膜剥離などを併発したときには硝子体手術が必要になります。
症例によりますが、仮に網膜剥離を起こしている場合はできるだけ早く硝子体内の出血を除去し、剥離した網膜を元に戻さなければなりません。放置すると失明に至りますので、早めにご相談ください。
黄斑浮腫は糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、ぶどう膜炎などで起きます。硝子体手術を行った場合5割以上に視力の向上が認められることが学会等で報告されてます。また当院ではアヴァスチンとケナコルトの硝子体腔注を追加しており更に成績をたかめております。
単純性か前増殖性または増殖性かで異なります。
単純性で慢性浮腫の場合は良くなる事が多いです。ただし、単純性でもその程度にもよりますが嚢胞性黄斑浮腫のある場合は難しいです。
以前これに対し格子状光凝固をやった時代もありましたが、殆ど効果なく最近は殆ど見かけません。
前増殖性および増殖性の場合は光凝固を行う意味合いが違います。この場合は血流の少ない場所に光凝固を行うか、または、全体に行うことにより網膜全体の酸素需要量を減らすなどして新生血管の発生を防ぐまたは退出させるために行うのです。
新生血管は硝子体出血をおこし増殖膜ひいては牽引性網膜剥離の原因となります。よって、この場合の光凝固は視力を良くするというより網膜症の進行防止のため行います。
この場合、少ない可能性で光凝固が黄斑浮腫の原因となり視力低下を起こす事もありますが病気全体を考えれば仕方がないと思います。
そして、同時にあるいは、病勢がある程度収まったところで黄斑浮腫の治療を行えば良いのです。
現在は黄斑浮腫の治療として硝子体手術、ケナコルト、アヴァスチンの硝子体内注等いろいろあります。
私は、眼瞼下垂手術は、軽度と重度または眼瞼挙筋機能の評価に基き術式を変えて行っております。
術式としては
(1)皮膚を切除後、縫合及び腱膜の瞼板への縫着
(2)ミュラー筋前転法
があり、軽度または眼瞼挙筋機能がある程度のものは(1)を用い、重度は、眼瞼挙筋機能が少しあるものは(2)の方法で行っております。
また、形成外科の技術も使い、美しい目になるよう心がけております。
先天性もありますが、ほとんどは後天性です。
原因としては、老化現象・コンタクトレンズ装用・眼科手術後などがあります。
いずれにせよ、ミュラー筋・挙筋腱膜の瞼板との結合が、ゆるくなることが原因です。
よって手術では、この部分を縫着および短縮します。
また、症状としては視力不良・肩凝り・頚の痛み・頭痛等色々ですが、やはり下垂があるため、無理な姿勢をとったり、眼瞼をあげるため無理な力が入ることが原因と考えられます。
よって手術によって場合によっては多少兎眼になっても、眼瞼上昇させる方が患者さんには喜ばれるのがほとんどです。
私は翼状片切除・欠損部位にケースバイケースではありますが、マイトマイシンCを塗布し、洗浄後、結膜弁移植を行っております。
インターネットなどを見ますと再発率5~15%と出ていますが、私はこのやり方でここ2年間再発は経験しておりません。
昔は無かったのですが、現在はあります。
ひとつは(1)滞留型ステロイドをテノン嚢下いれることと、もうひとつは(2)アヴァスチンの硝子体内注入です。
(1)は、どちらかというとこれ以上症状を進行させないという意味合いですが、(2)は視力上昇を狙ったものです。
近視性黄斑症は強度近視により網膜・脈絡膜変性が起こり、脈絡膜新生血管が発生し、後に瘢痕化し、視力が下がる病気です。
これに対し、アヴァスチンが新生血管を退縮させて治すというものです。
瘢痕化したものには、効果がないと言われていますが、瘢痕化したものにも効果がかなり見られる例を多数経験しております。
院外処方だと薬剤師がいてきめ細かい指導が受けられるとのご指摘も有りますが、院内処方でもその辺の指導はしっかり
やっております。又、院外処方でも薬剤師は一人だけで、常に勤務してる訳ではなく、指導を受けた一般職員が患者サービス
をしているので院内でもその点は大きく変わりません。
特に眼科はそうです。今回の聞き取り調査でもその辺の内情はよく知ってる病院関係者の患者様からの院外処方への反対が
強かったです。